闇に輝く救いの光 

 闇の中に歩んでいた民は大きな光を見る。死の陰の地に住んでいた者たちの上に光が輝く。

イザヤ9章2節

アドベントの第二週を迎えました。
本年もあと三週間ほどで終わりです。世界はますます混乱状態に陥り、地球自体も「温暖化から地球沸騰化の時代に入った」と国連のグテーレス事務総長が記者会見の中で発言しました。
 神が創造された世界が人間の手によって壊され、それでいて、さらに宇宙へとその生活圏を広げようと企んでいるのですから、神の前における人間の高慢はとどまるところを知りません。本年はイスラエルとガザ・ハマスによる軍事衝突による悲惨な戦争で、尊い命が次々と奪われ、その悲しみは癒えることがない状態が続いています。クリスマスを前に、多くの人たちは「神が救いの神ならどうしてこのようなことが…」と叫びの声を上げています。実は、このような世界を預言者イザヤは、この9章前半の文脈で、すでに神の計画であることを明確に示しているのです。8章最後の22節と9章1節に目を留め、心を向けましょう。「地を見ると、見よ。苦難と暗闇、苦悩の闇」とあり、次に9章1節では、「しかし、苦しみのあったところに闇がなくなる」とどんでん返しが語られているのです。これがクリスマスがもたらす神の恵みなのです。

1.闇に輝くまことの光
 「神の約束は成就せずに地に落ちることは決してない」というのが聖書の教えであり、私たちの信仰です。8章最後では、世が最悪の状態であることが記され、9章1節では、その具体的な地名が記されています。「ゼブルン、ナフタリ」とは、新約の時代にも「異邦人のガリラヤ」と呼ばれ蔑まれた地です。この地に闇がなくなり、神からの栄誉が与えられるというのです。

2.恵みによるどんでん返し
 9章2節から5節に、どん底から偉大な祝福へと変化するその内容が具体的に記されています。「国民が増え、喜びが増し加えられ、戦場で履いた履き物、血にまみれた衣服は焼かれて、火の餌食となる」というのです。まさに、「苦しみのあったところに闇がなくなる」の成就なのです。

3.救い主の誕生(インマヌエル預言)
 6〜7節は、有名なイザヤのインマヌエル預言です。まさに神の子イエス・キリストの誕生を示しており、主の誕生から700年も前に語られたことばです。
 「平和の君がさばきと正義によって」とは、まさに神の義を意味し、平和は限りなく、今よりとこしえまで、主の熱心がこれを成し遂げるというのです。あらためてクリスマスの意味を覚えましょう。

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あすなろ福音キリスト教会 牧師

日本福音キリスト教会連合(JECA)
あすなろ福音キリスト教会 牧師
青森県十和田市生まれ
近畿大学商経学部卒&聖書宣教会(神学本科卒)

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