不動の信仰に立って

 堅く信仰に立って、この悪魔に対抗しなさい。ご存じのように、世界中で、あなたがたの兄弟たちが同じ苦難を通ってきているのです。第一ペテロ5章9節

[聖書]1ペテロ5:1–11 

 先週の役員会で本年度の主題と聖句が決まりました。主題は『ぶれない信仰』で、聖句は1ペテロ5:9からです。
 この手紙の宛先は1:1にあるように、小アジアに散って寄留しているいわゆるディアスポラに対し、使徒ペテロによって記されたものです。時代背景は、ローマ皇帝ネロ(62-66年)の時代で、ユダヤ人と彼ら同国人(小アジア)による迫害に加え、ローマ当局による迫害も迫っている状況にあったのです。事実、ネロの迫害は64年のローマで起こった大火の後、キリスト者たちは捕えられ、木に縛られてコルタールを塗られ、松明代わりに火をつけられ殉教したのです。また、パウロもペテロもこのネロ皇帝の時代にローマで殉教したと言われています。この手紙の冒頭でも、様々な試練が私たちに称賛と栄光と誉れをもたらすことを記しています。
 私たちが今この世で最も注意しなければならないのは、決して信仰とは言えない中途半端な生き方です。『ぶれない信仰』とは、試練や迫害に中にあってもキリストにあって堅くたち、決してぶれない不動の信仰なのです。まずはじめに1章5節から9節までをお読みして主題聖句に入らせていただきます。

1.謙遜と祈りによって
 先週のアントニオいのちに「金銭を愛することが、あらゆる悪の根」、それが高慢に先立ち、「心配や思い煩い」もまた、私たちを神から引き離す大敵であることを記しました。ダビデは詩篇51篇で「砕かれた悔いし心」が神への最も大切なささげ物であると言いました。
 5節〜7節は、謙遜と祈りが私たちキリスト者の土台であると教えています。

2.キリストの苦難の証人として
 本年の主題聖句は、キリストの苦難の証人(v.1)である教会全体に対して勧告されている中にあります。教会の指導者、長老たち(年配者)、若い人たち、そして群れ全体に対してです。
 やがて朽ちるこの世の栄光ではなく、キリストにある永遠の栄光の中に招き入れてくださる神にあって、私たちは不動の者とされるのです。(v10)

3.堅い不動の信仰に立って
 皇帝ネロの迫害は凄まじいものでした。パウロは斬首刑、ペテロは逆さ十字架で殉教したと言われます。初代教父のテリトゥリアヌスは、「殉教者の流された血は教会の種子となった」と言いました。それはローマの迫害を指しています。しかし、それがなんと313年に、ローマのテオドシウス帝によってキリスト教がローマの国教となるのです。

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あすなろ福音キリスト教会 牧師

日本福音キリスト教会連合(JECA)
あすなろ福音キリスト教会 牧師
青森県十和田市生まれ
近畿大学商経学部卒&聖書宣教会(神学本科卒)

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