一人なら打ち負かされても、二人なら立ち向かえる。三つ撚りの糸は簡単には切れない。伝道者4章12節
[聖書]伝道者4:7〜12
私たちは今、伝道者の書を通読し、賢者ソロモンの人生経験から、神なき人生の空しさと神を信頼する者の恵みと力についての教訓を学ばせていただいております。先週も水曜夜の聖書研究祈祷会において伝道者の書3章から学び、ともに近況と祈りの課題を分かち合い、『祈りの手帳』を通して、兄弟姉妹のために祈り合うことが出来ました。使徒パウロは、「喜ぶ者とともに喜び、泣く者とともに泣きなさい」(ローマ12:15)とキリスト者の生き様を奨励しています。私たち教会の一人ひとりは、一つのキリストのからだを形成し、一人ひとりがそのからだの部分であると聖書は教えています。ある部分が痛めば、それは全体の痛みとなり、一つの喜びは全体の喜びになるというのです。本日の箇所、特に9節から12節は、まさにそのことを、伝道者が格言として教えているのです。
「三つ撚りの糸」とは、複数の人間が力を出し合う事の強さを意味しますが、伝道者が語る文脈は、主にあって人が力を合わせるなら、キリストの教会にも適用できることなのです。 本日は、「倍増する力と喜び」についてともに学ばせていただきましょう。
1.孤独の空しさ
人はその人生の中で、様々な出来事に遭遇し、成功や失敗を繰り返します。そのような事の中で、私たちは多くの出会いを経験するのですが、その出会いによっても喜びと悲しみが交錯し、空しさを経験するのです。
伝道者は、日の下の現実に、「ひとりぼっちで仲間も兄弟もいない人」に目をとめ、日の下の空しさから、天の下の神の恵みを語るのです。
2.空しさの原因を考える
懸命に働き富を得ても、人はひとりぼっちなら、それは空しいことです。
今から40年前、ひとりぼっちの男性が4800万円の預金通帳を枕元に残して孤独死していたという新聞記事を覚えています。伝道者は、神の存在を知らずに生きることが何よりも空しいことであると教えているのです。
3.溢れる恵みと力を覚えて
本日のキーワードは「三つ撚りの糸」です。日本のことわざに「三本の矢」があります。(メモ参照)人は神の似姿です。その人が心を一つに力を合わせることで大きな力を発揮できるというのです。しかし、伝道者は、ここに神の臨在を覚えて一つになることを教えているのです。実は、それが私たち教会のあるべき姿なのです。
【メ モ】
「三つ撚りの糸は簡単には切れない。」
日本のことわざに、「三矢の訓」(みつやのおしえ)(三本の矢)があります。
それは、戦国時代の武将、毛利元就が、3人の息子(隆元、元春、隆景)に教えたとされる逸話に由来しています。三人が力を合わせれば強い力となり、敵を打ち破ることが出来ると教えたのです。
伝道者は、神を信じる者として、一人よりも二人、さらには三人と「三つ撚りの糸」のように人が結束すれば、大きな強い力となると言うのです。イエスさまが私たち信仰者に、「ふたり、三人、わたしの名によって集まる所に、わたしもその中にいる」(マタイ18:20)と仰せられたことを覚えます。
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