私たちを執り成す大祭司

イエスは、自ら試みを受けて苦しまれたからこそ、試みられている者たちを助けることができるのです。ヘブル2章18節

[聖書]ヘブル2:1-18
 昨日から『みことばの光』はヘブル書に入りました。本書は、「ヘブル人への手紙」とされているのに、発信者の名前も宛先も記されておらず、著者が誰であるかは断定されていません。使徒パウロが有力であるとされていましたが、その他にバルナバ、雄弁なアポロ、ルカ、シラス、ローマのクレメンスなどという名が挙げられましたが、決定的な証拠が無く、初代教父のオリゲネスが、「この書の著者は神のみぞ知る」という名言を残しました。また、この手紙の受取人についても不明ですが、全体の文脈から考えて、迫害と困難の中にあって、神から離れる者、堕落し、集まりをやめて進べき道を見失っている人々、そうした苦難の中にある教会、信仰の危機にある人たちに対して、彼らの信仰を力づけ、恵みの主にとどまるようにと熱く書き述べているのです。それは、現代の困難の中に置かれている教会や様々な試みの中にある私たち一人ひとりに語られているキリストの福音の真理です。今週は、2:18の「イエスは、自ら苦しみを受けて試みられたからこそ、試みられている者たちを助けることができるのです」から神の恵みについて学ばせていただきます。

1.御子の本質を知ること
 御子イエスの本質を知るということは神を知ることと同じです。この書の1章には、その御子の本質について記されています。御子は万物の創造者であり、神の栄光の輝き、神の本質の完全な現れであると1章2〜3節にございます。この御子イエスが私たちの救い主であり、罪の世界からの解放者です。私たちは御子の救いの恵みによって新しく生きる者と変えられたのです。

2.私たちが今注意すべきこと
 この書の背景は、迫害や困難の中にあって信仰から離れる者、堕落して集まりをやめるという危機的な状況が教会にあったということです。近年の教会の状況に似ています。出エジプトの民が約束の地カナンで見出した安息に勝る安息が、御子の十字架の恵みにあることを覚え、神の恵みとこの安息を失わないように注意すべきなのです。

3.私たちを執り成す大祭司
 死に勝利し、悪魔に打ち勝った御子イエスこそ、私たちの大祭司です。主は完全な人間となられたゆえに、ご自身の体験から、私たちの試みを知られ、時に適った助けを与えてくださることができるのです。神は今、モーセを通してではなく、御子を通して私たちに生きる道を語っておられるのです。

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あすなろ福音キリスト教会 牧師

日本福音キリスト教会連合(JECA)
あすなろ福音キリスト教会 牧師
青森県十和田市生まれ
近畿大学商経学部卒&聖書宣教会(神学本科卒)

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