“木には望みがある。たとえ切られても、また芽を出し、その若枝は絶えることがない。”(ヨブ記14:7)
このことばは、旧約聖書のヨブ記に登場するヨブという人が、度重なる災いで家族と財産を失い、自らも悪性の腫物に覆われ、生きる屍と化した状態の中で口にしたものです。彼は万物の創造者である神を信じる誠実な人で、その信仰が大いに祝福され、幸いな生活を送っていました。しかし、突如として数々の苦難に襲われ、その心が揺さぶられるのです。ヨブにとっては不条理と思われる苦しみの中で、彼は自然界の木々に目をとめ、「木には望みがある」と、それでも神に望みをおくのです。世界は今、相次ぐ飛行機事故や突然の災いで、多くの尊いいのちが失われています。「神がいるならどうしてこのようなことが」と理不尽に思えることばかりです。私自身も、昔、プロボクサーとして夢を追っていたときに、思わぬ苦難で死を考えたことがありました。そのときに、このヨブのことばに出会い、生きる希望を見出したのです。
*「アントニオ」とはラテン語で大変貴重なものという意味 (2025.2.6)
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