ああ、いとも簡単に

 主はモーセに言われた。「さあ、下りて行け。あなたがエジプトの地から連れ上ったあなたの民は、堕落してしまった。」出エジプト32章7節

 本日の説教は、先週水曜夜の祈祷会と木曜午前の婦人会でも学ばせていただいた出エジプト記32章からです。  ここに至るまでの文脈として、神が民との契約の律法を定め、安息日を覚えて礼拝を厳守するようにと神の幕屋を作り、祭司と大祭司を定められました。こうして、神の契約を基に全イスラエルはモーセを先導者として祝福の約束の地を目指して前進するには、最高の状況が整えられたのです。しかしなんと、「にも関わらず」です。32章入ると信じられない大事件が起こるのです。それは、イスラエル最初の背教的行為で、金の子牛の偶像崇拝なのです。
 モーセが山に上ったまま40日間も戻って来ないことは、民にとって大きな不安を与えました。人は今まで頼っていた指導者が見えなくなると心が動揺し、様々なデマを飛ばし間違った方向へと陥りやすくなります。こうして彼らは待ち切れなくなり、アロンにせめ寄り、「われわれに先立って行く神々を」と自分たちを宥めるための偶像に身を転じてしまうのです。これは、今の私たちにもありうることで、信仰がぶれるとすぐにでも陥ってしまう最も悲しい出来事であることを心に刻みたいと願います。

1.ただ主にすがる信仰を
 出エジプトに際して、数々の奇蹟を目の当たりにして来たイスラエルの民でしたが、先が不安になるとすぐに「エジプトのほうが良かった」と不平不満をぶちまける「うなじのこわい民」に変わるのです。『歌いつつ歩まん』という賛美歌に、「主すがるわれに悩みはなし」とあります。純真な信仰を主は喜ばれ、いつもともにいてくださるのです。

2.結束を固めて偶像へ
 民の不信仰は、それで一致団結して結束を固めます。神と民の間を執り成すべきアロンは、彼らがエジプト脱出の際に手に入れた金の耳輪を持ってくるように命じれば、彼らはその願いをあきらめると思ったのかもしれません。しかし、それは反対に彼らの思いをエスカレートさせてしまうのです。ここに、サタンによる背信の力を見るのです。

3.モーセの執り成しと祈り
 民の背信という大事件を知ったモーセは、「主に嘆願して言った」(v.11)とあるように、これまでの主の導きと約束を具体的に述べ、アロンと民のために執り成すのです。すると神の怒りが鎮まるのですが、金の子牛の周りで戯れている三千人「自分の兄弟、友、隣人」(v.27-28)がモーセにつくレビ族によって民の間から断ち切られるのです。

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あすなろ福音キリスト教会 牧師

日本福音キリスト教会連合(JECA)
あすなろ福音キリスト教会 牧師
青森県十和田市生まれ
近畿大学商経学部卒&聖書宣教会(神学本科卒)

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