その後で、イスラエルの子らは帰って来て、自分たちの神である主と、自分たちの王ダビデを尋ね求める。そして終わりの日には、主とその素晴らしさにおののく。ホセア書3章5節
[聖書]ホセア書3:1〜5
ホセアは、イスラエルのアッシリヤ捕囚直前の危機的時代の預言者です。
「涙の預言者」と言われたエレミヤが南ユダのために涙を流したように、ホセアは北王国イスラエルのために涙にむせぶ預言者です。当時のイスラエルは堕落の極みに達しており、もはや神の審判を免れ得ない状況にありました。
私が毎朝、特定の方々に配信している先週木曜朝の「今朝のみことば」で、この書の概観を次のように説明しています。ホセア1章の書き出しで、主はいきなりイスラエルの預言者ホセアに姦淫の女ゴメルを妻とするように命じます。普通ならあり得ないことです。それは、偶像と世の快楽に心を奪われている民に対する神の愛とあわれみを象徴的に示しているのです。ホセアは神のことばどおりにゴメルを妻とし、夫に対する彼女の裏切りにも関わらず、忍耐をもって愛を注ぐ神を伝え、神のみこころは滅ぼすことではなく、繁栄と祝福であることを涙ながらに告げるのです。
本日の箇所は、この書全体の序論であり、民への指針だと言えるでしょう。
夫を裏切る妻を愛し、代価を払って買い戻しイスラエルの民に、これから起こる試練とまったき回復を告げるのです。
1.実際に体験することによって
ホセアが預言者として活動した期間は冒頭の王たちの記述から考察するとBC760-720のおよそ40年と推察されます。ホセアの時代、北王国は繁栄し、その反面、宗教的、道徳的、社会的腐敗をもたらし、民はバアルに仕え、人身御供や神殿買春が行われ、放縦の一途をたどっていたのです。
それで神は、ホセアに姦淫の女を妻にして愛するように命じられるのです。
2.代価を払って買い戻すこと
ホセアの妻ゴメルには夫との間に三人の子どもがいましたが、彼女は夫から離れ、またも姦通に身を浸し、奴隷状態にありました。それはまさにバアルの神に身を寄せるイスラエルそのものの状態です。そこで夫ホセアは代価を払って妻を買い戻し、夫のもとにとどまり平安を得るようにと告げるのです。
まさにキリストの贖いのようにです。
3.神のさばきと回復の預言
この書は、神のさばきと回復の預言であり、ホセアの悲劇的な結婚生活は、主とイスラエルの関係を象徴的に示しているのです。それは神がイスラエルをどれほど愛しておられるかをあらわしています。4節はアッシリヤ捕囚を示し、5節は終末の時代における神の民イスラエルの回復の預言なのです。
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