荘厳の背後にある油断

こうして、ソロモン王が主の宮のためにしたすべての工事が完了した。ソロモンは父ダビデが聖別した物、すなわち、銀、金、各種の用具類を運び入れ、主の宮の宝物倉に納めた。第一列王7章51節

[聖書]1列王7:38-51
ソロモン王には、父ダビデの四十年間の統治には果たせなかった神殿建設という大事業が委ねられました。
ダビデ王はウリヤの妻バテシェバとの取り返しのつかない大罪を犯すものの、預言者ナタンにその罪を指摘されたとき、「神へのいけにえは、砕かれたたましい。砕かれた、悔いし心。」と、徹底的な悔い改めをもって神の前にへりくだり、神の赦しを得たのです。ダビデの統治中は、イスラエルの内外に戦いが絶えませんでした。それゆえに神殿建設はダビデには許されなかったのです。けれどもダビデの信仰は、どんな状況下にあっても「私はいつも、私の前に主を置いた。主が私の右におられるので、私は揺るぐことがない」と主にすがったのです。それとは対照的に、すでに完成させた神殿の他に、この七章では、十三年をかけて王宮として自分たちが住む宮殿を建てたことが記されています。なんと二十年をかけて、神殿と王宮を完成したというのです。王宮は神殿の四倍の広さを持ち、五つの部屋を有するのです。
 主イエスも「栄華を極めたソロモン」と彼を引用しましたが、その背後にある大切なことを見失ってはなりません。

1.絢爛豪華な神殿
 ソロモンが七年かけて完成させた神殿は、高級杉材の上に四方八方に金を張り巡らすという荘厳なものでした。それから後、彼は自らのために十三年をかけて神殿の四倍もの大きさの見事な宮殿を完成させるのです。(7:1)七章前半は、五つの部屋を持つソロモンの宮殿のことが記され、13節から最後までが神殿内部の作りと構造、さらに外の備品等が記されています。

2.なぜこれほどまでに
 13節からは、再び神殿建設の詳細に戻ります。ツロの親の代から青銅職人であったヒラムによって、神殿入口の二本の柱は青銅を鋳造して作り、右は「ヤキン」(神は設立する)、左は「ボアズ」(力をもって)と名を付けます。神殿の周辺には、円周13メートルほどの「海」を作り、さらに10の洗盤を作るのです。寸法にも規定があるのです。

3.これら荘厳な神殿の本質とは
 説明をし切れないことだらけですが、なぜこれほどまでに主は一つひとつにこだわるのでしょうか。それは私たちには気づかなくても、主の目は細かな一つひとつに向いているということです。つまり、民一人ひとりが神にとって大切な存在であり、彼らの信仰によって神の栄光が証されることを願うのです。

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あすなろ福音キリスト教会 牧師

日本福音キリスト教会連合(JECA)
あすなろ福音キリスト教会 牧師
青森県十和田市生まれ
近畿大学商経学部卒&聖書宣教会(神学本科卒)

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